
バーゲンなどでよくあるのが、かごに入っていて「1000円均一という貼紙がしてあるもの。多くの消費者は、「均一」の文字を見ただけで、胸が騒いでしまうらしい。どこにも、「安い」とも「お得」とも書いてないのに、なぜか勝手に安くて得だと思ってしまうのではないだろうか。たしかに、普段は1300円や1500円のものまで、その日に限り1000円で売られているのであれば、お客にとってはお買い得である。では、店のほうは、なぜ「均一価格」にするのだろう。均一価格にするうえでの、店にとっての最大のメリットは、実に単純な話で、計算が楽だからなのだ。安くする方法としては、一律にたとえば「定価の3割引」とする手もあるが、これだと計算がややっこしい。しかし、1000円均一ならば、誰でも暗算でできる。切りのいい数字だと、客に値切られにくいという利点もある。それに、ひとつひとつの商品に値札をつける手間も省けるし、店員の労働力の省力化にはもってこいなのである。